ESスペシャルインタビュー

レクサス創設以来、
世界のユーザーに
鍛えられてきた基幹モデル 取材・公開日 / 2018.10

榊原 康裕
Lexus International
チーフエンジニア

ESの原点「快適性」をさらに進化

1989年にフラッグシップセダンLSとともに北米でレクサス最初のラインナップとして誕生したES。代を重ねるごとに販売地域を拡大し、基幹モデルとしてレクサスの歴史を築き上げてきた。世界累計販売220万台以上。特に北米と中国での人気は絶大だ。グローバル販売の約8割をその2国で占める。そんなESが7代目となるフルモデルチェンジを機に日本でも販売が始まった。
「歴代ESが高い評価を得ることができたのは、乗り心地の良さ、静かさ、室内空間の広さ。つまり快適性です。それこそがESの原点。レクサスならではの精巧なものづくりで改良を重ね続け、新型では運転の気持ち良さ、疲れにくさも含めて、上質な快適性を徹底して追求しました」
そう話すのは新型ESのチーフエンジニアを務める榊原康裕氏。研究機関と協力して、運転中の目の動きと乗り心地の関係を調べ、新型ESが長距離運転でも疲れにくいクルマであることを科学的にも証明した。

ES300h"version L"。ボディカラーはアイスエクリュマイカメタリック<4X8>。
デジタルインナーミラー、"マークレビンソン"プレミアムサラウンドサウンドシステムはメーカーオプション。
※写真の一部は合成です。

新開発GA-Kプラットフォームによって新たな魅力を創出

基本レイアウトがFF(フロントエンジン・フロントドライブ)であることも特徴のひとつだ。LS、GS、ISが採用するFR(フロントエンジン・リヤドライブ)に対して室内空間を広くしやすいことが利点で、新型ESはクラス最大級の広さを実現した。後席は大柄な人が足を組めるほどゆとりがあり、ラゲッジスペースはゴルフバッグを楽に4個載せることができる。ただ榊原氏は物差しで計れる価値だけを追いかけたのではないという。
「フラッグシップクーペのLCから始まった新世代のブランド革新の中にあって、躍動感のあるデザイン、すっきりとした奥深い走り味も訴求しなければなりません。通常、流麗なデザインにすると室内空間が犠牲になり、逆に広さを優先するとデザインはスクエアな方向にいってしまいます。走りと乗り心地の関係も同様です。それら相反する要素の両立、レクサスでいうところの二律双生が実現できたのは、GA-Kという新開発のプラットフォームを採用したことが大きいですね」
土台から新設計することで、従来では不可能といわれていたことが可能になり、新型ESに新たな魅力をもたらした。

SE300h ボディカラーは<4X8>アイスエクリュマイカメタリック
SE300h ボディカラーは<6X0>サンライトグリーンマイカメタリック
ES300h"version L"。インテリアカラーはリッチクリーム。オーナメントパネルは縞杢(ブラウン)。
デジタルインナーミラー、"マークレビンソン"プレミアムサラウンドサウンドシステムはメーカーオプション。
  • ※写真の計器盤は機能説明のために各ランプを点灯させたものです。実際の走行状態を示すものではありません。
  • ※画面は合成です。
ES300h"version L"。インテリアカラーはリッチクリーム。オーナメントパネルは縞杢(ブラウン)。
デジタルインナーミラー、"マークレビンソン"プレミアムサラウンドサウンドシステムはメーカーオプション。
  • ※写真は機能説明のためにボディの一部を切断したカットモデルです。

ときめきを秘めた新しい時代のラグジュアリー

「こだわったのは数値に表れない感性の領域です。既成概念にとらわれない本物志向の方も一度触れていただければESの良さをわかっていただけると思います」
今回の日本導入は、その自信の表れでもある。取材最後に榊原氏はこんな思いを明かした。
「毎日のライフシーンの中で何気ないけど、あ、素敵だなとか、ちょっと感動したなとか、ときめきを感じる瞬間ってありますよね。例えば着心地の良いシャツに袖を通したとき、お気に入りの腕時計を着けたとき。それと同じようにクルマからもときめきを感じて欲しい、そんな思いを新型ESに込めました」
ときめきを秘めた新しい時代のラグジュアリー。それがESだ。

ES300h"F SPORT"。ボディカラーはボディカラーの<8X1>ヒートブルーコントラストレイヤリングはメーカーオプション。
【LEXUS ES 主要諸元】
全長 (mm) 4,975
全幅 (mm) 1,865
全高 (mm) 1,445
ホイールベース (mm) 2,870
ES300h 。ボディカラーはアイスエクリュマイカメタリック<4X8>。

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